肝斑はレーザートーニングで高い治療効果が期待できる。効果、治療の注意点や保険についても解説。

あれっ・・・目の下にぼんやりシミができてる・・・しかも左右対称に!
ぼんやりして薄いのにメイクでもうまく隠れない・・・・
一気にふけて見える気がする!どうにかしたい!

それは女性に多くできる肝斑というシミである可能性が考えられます。
シミの多くは紫外線が原因ですが、肝斑は炎症が原因でできます。

肝斑は30~40歳ごろに発症します。さらに高齢者にはほとんど見られないのです。そのため出てきた年齢でその可能性を判別することが出来ます。また、女性ホルモンのバランスの変化によって発症するともいわれています。妊娠やピルの服用の有無も判断材料になります。

現在肝斑の治療はレーザートーニングという低出力なレーザー治療が多いです。
美容皮膚科や美容クリニックに相談している方、検討している方も多いと思います。

しかしここで注意してほしいことがあります。
ほとんどの方は肝斑と通常のシミが混在しています。しかし肝斑と通常のシミは治療方法が異なり、間違った方法で治療を行うとどちらも悪化してしまいます。

そこで肝斑を正しく治療できるクリニックの選び方と、治療の注意点、保険について解説します。
「これはシミ?肝斑・・・?」と悩んでいる方はぜひ参考にしてください。


1肝斑をレーザートーニング治療するには

これまで肝斑にレーザーを照射すると悪化する、といわれていましたが、レーザートーニングという弱いレーザーを均一に当てる方法が開発されてから、肝斑治療が飛躍的に向上しました。
肝斑以外の箇所にダメージを与えず、確実に肝斑を薄くできるようになり、年々上位機種も出てきています。

肝斑治療でしっかり効果を実感するためのポイントを3つ説明します。

1-1機器の選択肢がたくさんあるクリニックを選ぶ

光およびレーザーの医療機器が豊富にそろっていて、肌トラブルに柔軟に対応できるクリニックを選択しましょう。シミや肝斑の治療において最も注意すべきことは、症状は似ているがシミと肝斑では治療法が全く異なることです。

さらにほとんどの方は、肝斑だけでなく、通常の紫外線のシミも入り混じって肌の表面に現れています。
「目の下のシミが気になる、これは肝斑だ」と信じてこられる方を実際カウンセリングしてみると、肝斑ではなく、紫外線が原因である通常のシミ(老人性色素斑)であったり、ざ(ADM後天性真皮メラノサイトーシス)濃いくすみであったりする場合も多いのです。
さらにシミと肝斑が混ざり合って色素沈着となっていることもあり、この場合はそれぞれの症状改善に適した治療行う必要があります。

また、同部位でシミと肝斑が混在している場合は、まずトーニングを行い、薄くなったところで、他のシミ治療を行います。顔全体に肝斑のある、他のシミがあるところという混在の場合、肝斑部位へはトーニング、シミには光治療やレーザーを同時進行で行うこともあります。

シミは大きく6つに分けられます。
肝斑、老人性色素斑(一般的なシミ)、脂漏性角化症、ソバカス(雀卵斑)、ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)、炎症後色素沈着の6つです。

一般的な老人性色素斑といわれる最も一般的なシミは、紫外線が原因です。このシミはQスイッチYAGレーザーなどの強力なレーザーで高い効果が期待できます。

しかし、肝斑は炎症由来のシミです。強いレーザーを当てると血管が炎症を起こし、ダメージを受けた毛細血管が分裂する際に細胞に刺激が加わりメラノサイトが反応、メラニン色素が分泌されます。そうすると肝斑の色味が濃くなったり、色素沈着を起こすこともあります。

そのため肝斑の治療には、メラノサイトを刺激しない弱い出力のレーザートーニングが使用されます。

肝斑は弱いレーザーで治療しますが、紫外線によるシミやあざの場合は強いレーザーが必要です。このように診断を間違えるといつまでたっても改善しない、または悪化するという悪循環になるので、シミの種類と性質の見極めが最も重要です。
左:紫外線によるシミやあざに使う出力の強いレーザー 右:肝斑に使う出力の弱いレーザー

▼参考
http://www.international.lutronic.com/spectra

以上のことから医療機器が豊富であり、さまざまな肌の症状に対応したスキンケア治療の実績が豊富な皮膚科ないし美容クリニックを選択することが大切になります。

そうすると肝斑であった場合、そうでないシミやあざの場合も対応できるからです。

1-2肝斑治療機器はドクターの方針を確認する

ドクターカウンセリング
肝斑治療は、クリニックのドクターによって方針が異なるため、機器もさまざまです。機器1種と薬の併用の場合、2~3種を段階で使い分ける場合などです。

また万一シミや肝斑が悪化した場合の保障がついているかも確認しておきましょう。良心的なクリニックだと無料再治療保障がついています。

肝斑治療はレーザートーニングが主流ですが、医師によってはIPLなどの穏やかな光治療器を使用する方針のところもあります。
また内服薬、外用薬を併用する場合がほとんどです。メラニン色素を作るメラノサイトの働きを抑制するトラネキサム酸、強力な美白作用があるハイドロキノン、ビタミンC誘導体の100倍の浸透力のAPPSなどです。
そのほか点滴イオン導入などを同時に行うクリニックも多いです。

どの治療法にせよ、症例数が多く、肝斑とそうでないシミを的確に見分け施術を提案してくれる、納得できるカウンセリングをしてくれるところを選んでください。

1-3肝斑治療に使われる機器について

肝斑治療に使われている主流の機器を紹介します。この4機器は美肌やあざ治療などいくつかのモードが搭載されていますが、肝斑治療の場合「レーザートーニングモード」にして使用します。

QスイッチYAGレーザー

世界一短いパルス幅と完全なトップハットビーム波形により、周辺組織への熱ダメージを防ぎながら確実に肝斑のメラニンを破壊。世界30カ国で使用されている実績。

▼画像引用
http://www.japan.lutronic.com/products



肝斑を治療する上記4つのレーザーは非常に弱いパワーを均一に照射できるトップハットビームという機能が搭載されています。このビームがシミの原因となるメラノサイトを活性化させずに、いまある肝斑のみを徐々に薄くしていきます。(患部に弱いレーザーを均一に照射できるトップハット型は肝斑に最適、一箇所を狙って集中照射ができるガウシアン型は老人性色素斑に最適

どのレーザーもパチパチと肌にレーザーがあたる感覚です。また色素(メラニン)に反応するレーザーのため、肝斑が濃いところはチクっとした痛みがあります。しかし回数を重ねてシミが薄くなってくると痛みが減ります。時間は大きさによりますがだいたい15分ほどで終了です。


2肝斑治療のリスク

ここでは肝斑治療の際に起こりうるリスクについて説明します。
前章で触れたように通常のシミと肝斑では性質が異なり、間違った施術を行うと悪化する場合のほか、以下のようなリスクがあります。

2-1肌深部のシミが浮き上がってくる場合もある

シミには何種類かあり、肝斑を治療したあとに、通常のシミ(老人性色素斑)や、肌深部のあざが浮き上がってくる人がいます。肝斑が消えたことで、ターンオーバーとともに肌内部の見えないシミやあざが表面に見えるようになる、ということです。

このようなケースも踏まえ、診断のときにどんなシミか、ほかのシミの併発や後発の可能性あるかなどをしっかり把握し、最適な治療を選択しましょう。

2-2脱色色素斑になる

まれなケースでは肌のメラニン色素が強く破壊され、白斑のようになります。脱色素は高出力で複数回行った場合に起こります。トーニング治療でほとんど起こることはありませんが、万が一肌が白く斑点のようになったときは、施術を中止し、クリニックに相談してください。

2-3肌が炎症を起こす

レーザートーニングは弱く安定したレーザーですが、体調や肌の調子によってはレーザー照射後に赤みやひりひり感が出ることもあります。クリニックで炎症止めや保湿剤を塗布してくれますので、心配なときは相談してみましょう。


3肝斑治療の流れ

肝斑治療の流れについて説明します。クリニックによって多少異なりますが、大まかな流れは以下のようになります。

1カウンセリング

カウンセリングで、シミの状態、性質を確認します。

2メイクを落とす

メイクしている場合は、パウダールームで落とします。

3ローション塗布、イオン導入や点滴

レーザー照射の前にローションの塗布、またはイオン導入や美白点滴を行うクリニックもあります。

4レーザー照射

シミ、肝斑などのお悩みの該当箇所にレーザーを照射します。治療時間は患部の大きさによりますが約15~30分 程度です。施術当日は若干ヒリヒリする場合がありますがすぐに落ち着きます。

5メイク直し

レーザー照射後すぐにメイク可能なので、必要な人はメイクを直します。

6薬を受け取って終了

内服薬や外用薬を処方される場合は受け取って終了です。

7ホームケア

指示されたとおりに薬を内服または外用します。
また患部を直射日光にあてないよう注意し、日焼け止めをこまめに塗るようにしてください。

患部を強くこすったりすることも厳禁のため、メイクするときや日焼け止めを塗るときは、やさしく塗るように意識しましょう。スプレータイプの日焼け止めもおすすめです。


4期間・回数と費用

肝斑の状態と機器によって回数や期間は異なりますが、平均として2~3週間に1回、5~12回ほどで薄くなったと実感できるようです。費用の都内平均は1回約20,000円~30,000円です。しかしほかのシミの治療がプラスされた場合はもっと高くなります。
肝斑やシミ治療はコース契約のほうが、安くなる場合がほとんどですので、カウンセリング時に相談してみましょう。


5処方される薬

肝斑治療で処方される薬は外用薬と内服薬でいくつか種類があります。ここでは代表的なものを紹介します。クリニックで処方される指示に従ってください。

▼外用薬

・ハイドロキノン
肌の漂白剤とも例えられる、強力な美白剤です。シミの原因であるメラニン色素の生成を抑制し、メラニン生成細胞の数を減少させる働きがあります。
一般的な美白剤と違い、予防的効果だけではなく既に生じているシミも取り去る働きがあります。使用量を誤ると白斑といわれる、肌の一部分が白くぬけてしまう現象や、長期間の使用により紫外線に対する防御が働かなくなるおそれもあるため、医師による診察や説明が必要です。

・トレチノイン
トレチノインには細胞を活性化させる働きが強く、弱っていた細胞や老化して衰えた細胞を、元の元気で健康な細胞に生まれ変わらせる効果があります。皮膚の新陳代謝が高まり、メラニンの排出が促され、角質まではがれやすくなるため、シミ・くすみが改善されます。

 

▼内服薬


・トラネキサム酸
トラネキサム酸は、抗プラスミン作用をもつ成分です。プラスミンは、メラノサイト(メラニンを作る色素細胞)を活性化する因子の一つと考えられていて、この働きをブロックするのがトラネキサム酸です。この作用によって、メラニンを作り出す前の段階でメラノサイトの活性化を阻害し、肝斑の発生を抑えます。

・シナール
主成分がビタミンCなどのビタミン類で構成され、美白・シミ治療に効果があります。メラノサイトの働きを抑えたり体の抵抗力を高める効果も期待できます。またパントテン酸(ビタミンB5)も配合されており、糖分や脂質、たん白質などの代謝にかかわるほか、皮膚を正常にたもつ働きをします。

 


6肝斑治療の保険適用について

「肝斑が保険適用できたらいいな・・・」と思う人は多いかもしれませんが、保険適用で肝斑を治療できるところはほぼないです。

ただし一般の皮膚科で、内服薬のトランサミンが保険適用になることは、しばしばあるようです。飲み薬の保険適用の場合は2週間分で1000円ほどになります。しかし一般の皮膚科にレーザートーニング機器がおいてあるところはほとんどありません。またあったとしてもレーザートーニングが保険適用になるケースはほぼないと思ってください。

「確実にきれいに肝斑をなおしたい」と思ったらレーザートーニングと薬を併用する美容皮膚科をおすすめします。


7まとめ

肝斑について以下にまとめてみます。

・肝斑を確実に薄くする効果が期待できるのはレーザートーニング

・肝斑とそのほかのシミ見分けがつきにくく、また治療法が異なる。見極めて治療をしないと悪化する場合もある

・レーザートーニングは23週間に1回、個人差もあるが、5~12回ほどで薄くなったと感じることができる。

 肝斑とシミは素人には見分けがつかないことが多いですが、クリニックでの的確な判断と施術を行えば確実に症状はよくなります。自分の悩みが肝斑なのか、それ以外のシミなのか、複合しているものなのかをはっきりとカウンセリングで診断してくれるクリニックであれば安心です。
そのため肝斑だけでなくシミの治療も多く行ってきた実績のあるクリニックを選ぶようにしてください。

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