まるで生肉!満足度120%!肉を味わい尽くす幸せ肉レシピ「タルタルステーキ」

タルタルステーキ

うまい肉が思いっきり食べたい。
肉は肉でも牛肉一択。それ以外は認めない。

こんな欲求が時々発作のようにやってくるときってありませんか。

原始、獲物を追いかけていたDNAが騒ぎ出すのか。
ストレス過多な現代社会で、牛肉にしか含まれていない幸福成分アナンダマイドを脳が欲しているのか。
爆発しそうな肉たべたい欲求を全力で満たそうとするときに選ぶものは何か。
通常はステーキか焼肉あたりでしょうが、私はタルタルステーキをおすすめしたい。

タルタルステーキなんだっけそれ?
ユッケや焼かないハンバーグみたいなやつ?
といまいち認識が薄いか、微妙な呼ばれ方をしているかのタルタルステーキ。
そんな風に思うことなかれ。

細かくした半生肉に薬味をこれでもかと混ぜて、丸く盛り付けた上にのせた卵黄をくずし、とろけたところにレモンやしょうゆをかける。
にんにくやたまねぎやハーブがさっぱりしつつ、卵黄のまろやかさと絶妙に絡み、牛肉の甘く豊かな風味を最大限に引き立てていく。
口の中で何十奏ものうまみの演奏が重なっていくよう。

にんにくやハーブ、ねぎなどの薬味が好きな人、いつも多めにいれたくなるという人に特におすすめしたいです。肉がもちろん主役だけども、薬味が素材のうまさを何倍にも引き上げるという素晴らしいポテンシャルを最大限に感じられる肉レシピなんです。

作りかたは単純で簡単、予算も4人以上ならひとり1,000円以下。
パーティの主役をはれるほど華やかで、味付けのバリエーションもあり、米にもパンにもお酒にも最高にマッチ。とにかくフォークが!ごはんが!バケットが!!ワインが!止まらなくなります。

必要なのは、フッ素加工のフライパンと、業務用スーパーの安売りの牛モモ肉、それに好みの薬味と調味料数種。
大満足できる魅惑のタルタルステーキをいますぐつくれる詳細なレシピをご紹介します。
肉食べたい欲求がでたら、タルタルステーキでレッツ肉祭り!!!


1このレシピを公開する経緯。タルタルステーキに魅了されたあの日から

どうしてこんなにタルタルステーキを推したいのか。
そもそもタルタルステーキを知ったのは、10代のときに読んでいた料理の随筆でした。
パリで歌手をやっていた著者が、ステージが終わると、仲間たちとレストランに食事に行きます。

「ホタテ貝のグラタンと白ワインにするわ」
「私はあつあつのオニオンスープ」
「疲れたからステークタルタルと赤ワイン。たまねぎを多めにね」

ステークタルタルとはタルタルステーキのフランス語読みです。
著者はタルタルステーキについてこう書いています。

タルタルステーキはタタール人つまり騎馬民族が食べていた。
これがやがてドイツに伝わりハンバーグの元祖となった。生の牛肉にマスタードやハーブ、たまねぎを混ぜて食べるもの。見た目は日本のネギトロにみえる。生の牛肉はマグロのトロよりあっさりしている。
ルビー色の肉と薬味の風味が食欲をそそる。
バケットに薄く塗って食べると疲れたときでもすいすいと食べられる。
赤ワインとよくあう大人の夜食である。

うおーーーーーーー大人ってこんなうまそうなもの食べてるのかーーーーー!!
無条件に海外文化がかっこいいと思ってしまいがちなお年頃だったこともあり、大変強く印象に残りました。
パリジェンヌかっこいい。
パリジェンヌの食べてるものが食べたい。
ムッシュー、タルタルステーキシルブプレ。

これがタルタルステーキという未知との遭遇でした。

年月が少し経ち大人になった筆者は、あるレストランでついにタルタルステーキを発見します。
「おおこれぞ夢にまでみた!タルタルステーキ!」
満を持して登場したタルタルステーキは、丸く盛られた生牛肉の上で新鮮さがわかるぷっくりとした卵黄が、お月様のように輝いています。ランプの下におかれた一皿は、鮮やかな牛肉の赤、薬味の緑、卵黄の黄色がお互いをつやつやと引き立てあって、まるで宝石のようです。

味は昔想像したとおり。タイムとローズマリー、たまねぎとにんにくの香りが鼻をくすぐり、食欲がおなかの底から湧いてきます。卵黄と薬味と一体になったうまみがあふれ出る牛肉は、口の中でワルツを踊るかのようにぜいたくで優雅。ワインとともに飲み干すと、なめらかでエロティックな余韻と、かすかな血の味が口に残る。
いつまでもこの時間が続けばいいのにと、テーブルの妖精に願いをかけたくなるほどでした。

でも。
「・・・・・小さい」
ほんと、小さい!!
3口くらいしかない。しかも小さいティースプーンですくったくらいの3口。
それで3,000円とかする。一口1,000円!
「もう一皿ください」とかいいたいけど言えないよこの値段じゃ。

こんなおいしいものを3,000円出して3口しか食べられないなんて悲劇。資本主義の現代が憎い。

タルタルステーキを腹いっぱい満足するまで欲望のままに食べまくりたい!
でもタルタルステーキマイナーすぎてそんな店はない!どう考えてもムリ!
あってもローストビーフだよ!いやだ、ローストビーフじゃ薬味が足らないんだ!
これはもう自分でつくるしかないYO!!

こうしてタルタルステーキへのマグマのような欲望をたぎらせ、試作を繰り返し、出来上がったのが、いまからご紹介するレシピです。ぜひつくって悶絶しながら味わってください。
さらにSNSで投稿し、タルタルステーキの認知の向上させてほしいです。そうしたら3口3,000円から、食べ放題1回1,980円のタルタルステーキ専門店なんかが誕生するかもしれませんし。


2下準備

タルタルステーキをつくるのは実に簡単。
肉を焼き、それ以外の材料は、薬味なのでとにかく細かく刻んで混ぜるだけ。普段あまり料理しない、という人でも単純なのでやりやすいと思います。
まずは材料と調理器具の確認です。

2-1タルタルステーキの材料一覧

以下材料で8人分つくれます。
・牛モモ塊肉 900g
・たまねぎ 半分
・にんにく ひとかけ
・塩こしょう 少々
・粉末にんにく 少々
・乾燥ハーブ(タイム・ローズマリー・ローリエなど)
・卵黄 好きなだけ
・油(オリーブオイル、サラダ油、グレープシードオイルなどなんでも)
・ウスターソース 味をみながら適量

洋風薬味
・セロリ 20cm
・パセリ 半束
・レモン 2個
・ケイパー 大さじ2
・粒入りマスタード 大さじ2
・そのほかアボカド、ピーマン、野菜のピクルスなどもおすすめ

和風薬味
・長ネギ 1本
・みょうが 3本
・かいわれ 1パック
・そのほか三つ葉やシソなどもおすすめ

上記材料すべてで約4000円でした。

タルタルステーキは基本は洋風ハーブで香りをつけますが、和風にしてもすごくおいしいです。
今回は王道の洋風ハーブ風味と、日本人好みにアレンジした和風味2種類をつくります。

2-2使う調理器具一覧

絶対に必要なのは、フライパン、アルミホイル、まな板、包丁です。
どこの家でもたいていある普通の調理器具だけでおいしい肉料理を確実に作れます。
オーブンがなくても、鉄製のフライパンがなくてもOKです。

・フライパン
・まな板
・包丁
・アルミホイル
・ボウル
・ごはん茶碗などの底が丸い食器

あれば便利
・トング
・ゴムベラ

2-2肉は「肉のハナマサ」か「業務用スーパー」がおすすめ


主役である牛モモ肉をどこで買うか。
これは「肉のハナマサ」もしくは「業務用スーパー」が絶対におすすめです。
家の近所のふつうのスーパーで、牛モモ塊肉が安いのであればもちろんそれでかまいません。しかしなぜか家そばのスーパーは、牛肉だけが極端に高い傾向があるのです。

肉のハナマサや業務用スーパーは値段・量・新鮮さどれをとっても合格です。
外国産の牛肉なら400g以上でも1,000円以下で購入できます。国産じゃなくてもやわらかくて十分おいしいですよ!今回はハナマサで売っていたオーストラリア産の牛モモ肉を使いました。

また野菜や調味料も安いし多く入っていて大変お得です。


3調理方法は「焼く・切る・混ぜる」の簡単3ステップ

では詳細な調理レシピを説明していきます。

3-1肉を室温に戻して下味をつける

牛肉3
まずは肉を冷蔵庫から出して、室温に戻します。30分ほどおいておけばいいでしょう。
肉が冷たいままだと、中まで熱が通りにくくなってしまいます。
同時に肉に下味をつけます。塩こしょうと粉末にんにくをさらさら全面にふり、手ですりこんでください。1周でいいです。かけすぎないように。
好みで乾燥ハーブもここでふります。こちらもかけすぎないように注意してください。
肉によくあうハーブは、タイム、ローズマリーなど。ローリエの葉の粉末などもさわやかでおいしいです。
今回は乾燥タイムを使いました。

3-2フライパンあたため

フライパン
フライパンを強火にかけてあたためます。煙が出るか出ないかくらいまであたためたら、油を大さじ1杯いれてフライパンになじませます。この油はサラダ油でもオリーブオイルでもグレープシードオイルでもなんでもいいです。今回はオリーブオイルを使いました。

3-3肉を強火で片面15秒ずつ焼く

牛肉4
いよいよ牛肉を焼いていきます。片面15秒ずつ全面を焼きます。短すぎても長すぎてもダメです。うっすらと焼き色がつくくらいがちょうどいいです。
ジュワーーーっというおなかが減る音がします。肉は調理する音までおいしいですね!香ばしい香りが部屋中に広がります。
牛肉7

片面焼けたので、ひっくりかえします。このときトングがあると大変便利。スパゲッティを取り分けたりするのにも使えます。

牛肉6

ほそい側面もちゃんと焼きます。切り口すべてに焼き色をつけましょう。肉の表面についているかもしれないカンピロバクターなどの細菌対策です。

3-4アルミホイルで肉をきっちりつつんで冷めるまでまつ

牛肉つつむ
肉が全面きちんと焼けたら、お皿の上にアルミホイルを大きめに広げ、肉をおいてきっちりとつつみます。
牛肉つつむ2牛肉つつむ3
きっちりと牛肉をつつんだら、触っても熱くないくらいまで冷めるのを待ちます。
だいたい15~20分くらいです。筆者は涼しいときは、ベランダに出してます。

3-5薬味をみじん切りにする

洋風薬味みじんぎり
肉を冷ましている間に、薬味をみじん切りにします。
大きめでも細かめでもみじん切りならなんでもOK。
フードプロセッサーがあればそれをつかってもいいです。

上の写真は洋風薬味のみじん切り。
パセリ半束、たまねぎ半分、セロリ上のほう20cm、ケイパー大さじ2が入っています。

下の写真は和風薬味のみじん切り。
長ネギ1本、カイワレ1パック、みょうが3本が入っています。

3-6肉を切り分け、1cm角に細かく切る


薬味をきっている間にお肉が冷めたので、切り分けてさらに細かく刻んでいきます。
肉切る
肉汁は肉にしっかりと含まれているので、切っても汁は出ません。
しっとりとしたルビー色の美しい断面です!

切った牛肉
かぶりつきたい気持ちをぐっとこらえて、細かく刻んでいきます。
牛肉みじんぎり

3-7細かく切った肉と薬味、調味料を入れて混ぜる

混ぜる

細かくした材料と、調味料を混ぜます。
混ぜる
洋風にはウスターソース、マスタード、オリーブオイル、塩胡椒を味を見ながら混ぜていきます。
和風にはウスターソース、オリーブオイル、塩胡椒をやはり味を見ながら混ぜてください。
食べる時にさらに調味料のちょいたしをするので、あまりここで濃い味にならないように注意してください。
mazeru

もうすぐ完成です!

3-8まるく盛り付けて卵黄をのせる

盛り付け
ごはん茶碗や丸い食器にタルタルステーキをぎゅっとつめ、平皿にあけます。
その上に卵黄をのせます。あまった白身は卵スープにするのがおすすめです。
ハーブが香る洋風タルタルステーキ
タルタルステーキタルタルステーキ洋風

和風さっぱりタルタルステーキ

完成です!!!!!!

どちらもまずはレモンをぎゅっとしぼって、卵黄とからめて食べてみてください!

驚くほどジューシーで薬味が効いたお肉に卵黄がやさしくからみます。食欲がおなかの底から噴火すること間違いなし。

さあワインとビールと白ごはんとバケットを用意しましょう!!
肉欲にまみれた宴会のはじまりです!!

3-9-おすすめちょいたし

調味料
そのままでもおいしいタルタルステーキですが、好みで調味料をちょい足ししても味が変わって楽しいです。
とくに以下の6つはどうやってもおいしくなるので、おすすめです。

・しょうゆ
・ゆずこしょう
・からし
・生わさび
・タバスコ
・ポン酢

筆者はまずそのままレモンとからしで食べてワインを楽しみます。そのあとしょうゆをかけてごはんといっしょに食べ、その後タバスコを効かせてビールをぐいっと飲むのが好きです。
ちゃんぽんしすぎですね!でもおいしいです。
上記以外でもこれあうかも?と探してみてください。


4注意点

簡単単純で大変おいしい幸せな肉レシピ、タルタルステーキですが、注意点もあります。以下の2点はかならず守ってください。

4-1絶対豚肉でつくるな!

某レシピサイトで、豚肉でつくるタルタルステーキ、ユッケのレシピが投稿され、問題となったことがあります。豚肉には肉全体にサルモネラ菌や有鉤条虫などの菌および寄生虫がおり、しっかりと加熱して死滅させないと最悪の場合、食中毒で命を落とす危険もあります。特別な専門店以外で豚の生食は絶対にやってはいけません。牛がないから豚でやろう・・・とはくれぐれも考えないでくださいね!!

4-2肉は15秒はちゃんと焼く

肉の全面を15秒は必ず焼くようにしてください。
本場のタルタルステーキは新鮮な生肉でつくられていますが、家庭で完全な生肉料理をするのは心配な部分があるのも事実。そのためこのレシピでは15秒焼いた牛モモ肉を使っています。
牛は、肉の表面に菌が付着しているので、表面を全面焼くことで菌を死滅させられます。


5タルタルステーキの発祥・語源

最後にタルタルステーキの発祥や語源についてお話したいと思います。
タルタルステーキの名前は、モンゴル帝国にあります。モンゴルには、遊牧していた諸部族がいくつかありましたが、この民族を総称しタタールと呼びました。これは「他の人々」を意味します。
モンゴル帝国は14世紀に短い期間で東西を侵攻し、土地をどんどん広げていきました。遠征するときに乗り物兼食料として馬を何頭も連れて行くのですが、大変硬く食べにくかったのです。そこで肉をこまかく切って袋に入れ、馬の鞍の下において馬に乗っている間に、自分の体重で肉の繊維をやわらかくしました。そのやわらかくなった肉にスパイスを混ぜて食べたのが始まりです。混ぜたスパイスはおそらく花山椒や、クミン、唐辛子などであったでしょう。
タタール族が食べていた肉料理ということでタルタルステーキと呼ばれるようになりました。

これがヨーロッパに伝わって馬が牛になり、ハーブを混ぜるようになりました。ドイツではこれがハンバーグの元祖になったとも言われています。このドイツ人がアメリカにわたり、ハンバーグをパンにはさんだハンバーガーが大変人気になりました。
また朝鮮半島にも伝わり韓国料理でもおなじみのユッケができたと言われています。
タルタルステーキは、世界でもポピュラーな肉料理の元祖だったんです。モンゴル帝国の栄光によって世界でおいしいものがたくさん生み出されたわけですね・・!
ユーラシア大陸に足を向けて眠れません。

【参考サイト】
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%AD
https://zexy-kitchen.net/columns/260


6まとめ

肉が思いっきり食べたいときや、パーティのときでも絶対におすすめできる簡単単純・おいしく満足度最高の肉料理、それがタルタルステーキです。
肉のハナマサや業務スーパーをとおったとき、輝くような牛モモ肉をみつけたときも、このレシピをぜひためしてみてください。
あなたのハッピー肉料理ライフにぜひタルタルステーキを!!