
最近は家庭用の美顔器も様々な種類が出ていて、手軽に自宅でケアができて肌が綺麗になるなんて魅力的ですよね。「LED」が出る美顔器を検討されている方はいませんか?
そんな方は、購入の前に本記事を是非読んでください。
家庭用のLED美顔器を使用しても、シミへの効果は低いと言えます。それは、医療用のパワーの強いLED機器でもシミへのアプローチは効果的とは言えないからです。
本記事では、家庭用LEDと医療用LEDの違いから、シミの原因やLED機器のメカニズムを詳しくご説明します。
家庭用のLED美顔器を検討されている方は、美容皮膚科での治療をはじめて聞く方もいるかもしれません。しかし、シミを改善したい方は美容皮膚科での確実な治療方法もご紹介いたしますので併せてご覧ください。
選択するための一歩として、最後までお読みいただければと思います!
目次
1 LEDはシミを治す効果は低い
結論から言うと、LEDはシミを治す効果は低いといえるでしょう。また、家庭用美顔器のLEDが一般的には知られていますが、LEDはエステサロンや美容皮膚科の施術で用いられる機器もあります。家庭用美顔器のLED、専門機関で取り扱うLEDはいずれもシミの症状を治す効果が低いと言えます。
それはLEDの治療がシミの原因である「メラニン色素を破壊する」ことを目的としていないからです。
家庭用のLED美顔器と専門機関で使用するLEDの細かい違いを記すのは難しいですが、使用する波長に違いがあるといえます。波長の違いとは、単純に「効果を発揮するパワー」と捉えてください。家庭用LEDの方が専門機関で取り扱うLED機器より効果的な波長を出力することができないため、パワーが劣っているといえるでしょう。
また、医療用LEDの販売専門業者に確認をしたところ、医療用に開発をされたLEDは、コラーゲンの産生を促し、ターンオーバーを促すためのメカニズムが理由として医学的根拠で示すことができます。(詳しくは4 LEDのメカニズムでご説明します)
一方、家庭用のLED美顔器は多くの商品が発売されていますが、そのメカニズムが明らかになっているものを見たことがありません。「専門機関で行う施術が家庭で出来る」という謳い文句をよく目にします。つまり、LED美顔器の効果の目的が「専門機関で行う施術」と同じであれば、家庭用LEDではシミを治療する効果は見込めないという事が言えます。
なぜLEDはシミに効果があると言えないのかを順を追って説明していきます。
2 シミの症状とは
まず、シミの症状とはどういうメカニズムで出来てしまうのかご説明します。
主にシミは外部の刺激によって発生します。シミができる原因は「メラニン色素」が作られ、それが肌表皮に現れたものです。
肌の組織は表皮・真皮・皮下組織の3つの層に分けることができます。シミができる要因はこの「表皮」にあります。
下記の図は表皮の断面図です。表皮は「角層」「顆粒層」「有棘層」「基底層」の4つの層から形成されており、厚さは約0.2㎜と薄く、表皮の一番深い位置にある基底層で細胞が作られます。
この基底層には、メラノサイトという色素形成細胞があります。紫外線が刺激を与えると、このメラノサイトが刺激され、メラニンを増産させます。メラニンは「有棘層」、「顆粒層」と上がっていき、そのままお肌の表面である「角層」まで上がっていきます。
メラニンが、表皮全体に分布しはじめて肌の表面が他の部分に比べて黒ずみ、シミと認識されます。
通常、表皮はおおよそ28日間でターンオーバーによって新しく表皮の細胞が生まれ変わりますが、加齢や何らかの原因で表皮のターンオーバーが遅延すると、正常に排出されずにメラニン色素の消失も遅れ、シミが残ってしまうということです。
シミの症状を改善するには、このメラニン色素を破壊するようなアプローチを行う必要があります。
しかしながら、LEDはこのメラニンを直接破壊するには至りません。
LEDで期待できる効果はターンオーバーの促進です。ターンオーバーを正常化させることによってシミの原因であるメラニンを肌の外に排出することが促進されます。そう言う意味ではLEDが全くシミに効果がないとは言えませんが、メラニンに対する直接的な効果は△と言わざるを得ないのです。
3 LEDはシミではなく肌のくすみ解消やハリUPを目指す
この章ではLEDの具体的な効果についてご説明します。LEDとは光治療のことで、出力される波長によって期待できる効果が変わります。現状医療で使用されているLEDには、青・赤・オレンジの光が出る波長のものがあり、それぞれの効能は下記の通りです。
青色(波長415nm) |
アクネ菌の殺菌作用 炎症抑制作用(ニキビ・ニキビ跡の炎症の鎮静) 皮脂腺収縮作用(皮脂の分泌を抑制する作用) 表皮再生作用(肌のキメを整える) |
赤色(波長633nm) |
炎症抑制作用 コラーゲン産生促進 血行促進 表皮再生作用 |
オレンジ(波長590nmと830nm) |
コラーゲン産生促進 皮膚の代謝を上げる作用 表皮再生作用(マクロファージ増産) 血管の強化・血行促進 |
青色LEDは殺菌作用でニキビ治療を主としています。オレンジのLEDは赤色のLEDの改良版といえ、赤色LEDで期待できる効果に関してはオレンジLEDで賄うことができるので、今回はオレンジLEDの効果についてご説明します。
上記の表で記した作用から実際に期待できる効果は下記の通りです。
コラーゲン産生促進(線維芽細胞増殖)
➡肌のハリ、弾力強化、リフトアップ効果
ターンオーバーの促進
➡肌のキメ・ハリUP
表皮再生作用(マクロファージ増産)
➡色素沈着や傷などの治癒促進
血管の強化・血行促進
➡クマ・くすみ肌の改善、腰痛や肩こりの緩和
上記の効果が期待できる照射間隔の期間は2週間に1回程で、回数は10回~12回程続けることが推奨されています。
シミに直接的な効果はありませんが、肌のキメやハリをUPさせて色のトーンを上げたり、くすみ肌の改善には効果が期待できるので、気になる方は是非受けてみて下さい。
照射中は暖かい光がじわじわとしみ込んでくるような感覚です。ダウンタイムもリスクもないので比較的受けやすく、価格も10回30000円前後で提供されているので、家庭用LEDを購入するより安い価格で施術を受けることができます。
4 LEDのメカニズム
LEDはシミを治す効果が期待できないと記しましたが、それはメラニン色素を直接破壊する働きをする効能は無いということです。
LEDのメカニズムは、現状では3つの波長のエネルギーを出すことができる光治療機器です。エネルギーが届く深さは波長によって異なりますが、届いたエネルギーは細胞を刺激することによって線維芽細胞増殖を促し、コラーゲンやエラスチンが増産されると言われています。これによりターンオーバーの促進が期待できます。
肌のターンオーバーが促進されることによって、シミの原因となるメラニンが外に排出される効果が期待できます。そういった意味ではシミ治療に全く効果がないとは言い切れませんが、シミを改善する直接的なアプローチではない為、効果的な治療とは言い難いのです。
5 シミを治したいなら効果的な治療を
これまで、LEDのシミ治療についてなかなか効果を発揮しにくいとご説明しましたが、この章ではシミ治療に効果的な方法をご紹介します。
当院ではシミを6種類に性質に分けて診断し、それに合わせた治療方法をご提案しています。
シミの性質 |
概要 |
効果的な治療法 |
加齢によるシミ |
顔や腕、手の甲などにできやすい濃い褐色のシミで境目が目立つ |
QスイッチYAGレーザー |
そばかす |
顔や手の甲、上腕や肩、背中にできやすい米粒くらい淡褐色のシミ |
QスイッチYAGレーザー |
肝斑 |
顔面に左右対称にできる淡褐色のシミで広範囲、輪郭がハッキリしない |
レーザートーニング |
ニキビ跡・虫刺されシミ |
ニキビや虫刺され等の傷のあった部分にできる色素沈着 |
イオン導入 |
あざ |
少し盛り上がりがあり、80代からはほぼ全員にみられる |
QスイッチYAGレーザー |
加齢や紫外線によるイボ |
少し盛り上がりがあり、80代からはほぼ全員にみられる |
CO2レーザー |
シミは、自分がどの性質なのかが判断が難しい症状です。もし治療を検討されているのであれば、是非ご相談ください。
シミのレーザー治療について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
6 まとめ
今回はシミをLEDで治したい方へ、LEDの効果を中心にご説明しました。
いかがでしたでしょうか?
とくに家庭用のLEDにシミの効果を期待していた方はがっかりしたかもしれませんが、シミでお悩みでしたらクリニックでの治療がおすすめです。しっかりと医師の診断を受けてシミの種類に合わせた治療方法で行いましょう。
また、LEDの照射自体も家庭用LED美顔器を購入するより、出力されるパワーが強い医療用のLEDを使用したほうが効果も期待できますし、価格も安く済む場合もありますので、購入する前によく検討されてみて下さいね。
是非、シミのお悩みを解消して自信のある肌を手に入れて下さいね!
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